**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**   255号 2010.4/5

 前号は「食」のリスクとヘッジの話をしましたが、その続きとして、今号は「自然災害」を取り上げておきます。

○天災は忘れた頃にやって来る

 20〜30年前のことですが、地質学の研究者が「東京は地震リスクが高すぎる」と言って、地方移住を実行し週刊誌の話題になったことがあります。
 関東直下型の地震は70年周期という見方もあります。過去の記録では、1633年、1703年、1782年、1853年、1923年(関東大震災)のリズムで発生しており、70年周期説から言えば1990年代以降は毎日が危険日となっています。

 また、太平洋沿岸で発生する「東海・東南海地震」は、100年〜150年の周期になっており、これも前回の地震(1854年)から言えば、すでに最長期の150年をオーバーしており、どの研究機関もいつ起きても不思議ではないという結論を出しています。
 しかも、太平洋沿岸で発生する巨大地震には「長周期地振動」が伴い、どこで発生した地震であっても関東ローム層上に建てられた高層建築を揺らすことになっています。建物の倒壊は無いと思いますが、高階層では家具が空中を飛び交うような惨状になります。

 そして、これは最近の研究成果ですが、次回の太平洋沿岸地震では、大津波(沿岸部で10m)が発生する確率が高いと言われています。新聞記事の内容だけを簡単に言っておきますと(切り抜き資料が見つかりません)、確か大分県だったと思いますが、海岸からほどよい距離のところに、ほどよい高さ(海抜数m)の池があって、その池の底をボーリング調査(過去3千年の深さまで)したところ、300年の周期で海砂が堆積していたのです。これは、300年ごとにこの地域で数mを越える大津波があったことを意味しています。
 直近の堆積物は300年前と言っていますから、1707年の「東海・東南海・南海の3地震(宝永地震)」の時のものでしょう。この時大きな津波が発生したことは古文書の記録にあります。この300年周期から言えば、そろそろ大津波が発生するような地震が起きると言えるわけです。

 なお、1707年の3地震同時発生の時には、その影響で富士山も噴火しています。1ヶ月半後のことです。富士山の周期性はよくわかりませんが、噴火物が多いのが特徴らしく、前回の噴火のときも関東一円に大量の火山灰を撒き散らしています。
 今後、どういう災害が発生しようと、近代都市を作ってからの始めての体験となるため、被害の予測も難しいようです。
 すでに「毎日が危険日」の状況ですから、今さら予言情報などどうでもよいことなのですが、マクモニーグルさんは(『未来を透視する』)、「新東京タワーは、自然災害によって完成が2年遅れる」と言っていました。

○集団を抜け出す社会技術が必要

 10年2月27日のチリ地震による津波で、気象庁の避難勧告に従った人は6.5%であったというデータが発表されていました。津波の可能性は100%であったわけですが、避難行動を取った人は1割にも満たないのです。『災害心理学』の立場から、「人間には不安な状態は考えたくないという心理が働いて、平穏を妨げる情報には耳をふさぐ(=正常化のバイアス)」からだというコメントが付いていましたが、そればかりが理由ではないでしょう。
 和歌山県で津波の避難誘導を指導している人が言っていましたが、「避難を訴える人が一番に逃げるのが人々を避難させる方法」だと。つまり、人は周囲の状況を見ながら自分の行動を決定する傾向が強いので、注目を集める人(避難を叫んでいる人)が逃げない限り誰れも逃げないということらしいです。

 「避難するか、しないか」は、集団心理との戦いのような気がします。人間、一人の時は正常な判断をするものですが、周りに人がいると複雑な心理状態になり(根拠のない安心感が生じたりする)、判断を誤るようです。
 又、集団の圧力(集団に所属している時、一人だけ集団とは別の行動は取りにくい)もありますから、集団を抜け出す社会技術のようなものも必要になります。
 地震のように避難勧告の出ないものについては、避難行動を正当化する理由がないですから、別の理由で抜け出すしかないかもしれません。例えば、田舎の親類に架空の病人を作っておき、常日頃「何かあったら見舞に行かなければならない」と公言しておくとか。
 こういう前提があると、何か異状を感じたとき(地鳴りがする。動物が異状行動をしている。耳鳴りがする・・・)、「見舞に行く」と言って避難できます。すでに「毎日が危険日」ですから、何らかの工夫をしておくべきです。

 なお、今度東京直下型の大地震や太平洋沿岸の巨大地震が起きると、その被害があまりに巨大で、元に戻すことより社会の在り方を変えることを選択するかもしれません。首都移転も十分考えられます。これくらいの変化は組み込んでおいて下さい、。そうでないと命は助かっても以後の社会で生きられなくなります。
 大航海時代、世界の覇権国であったポルトガルが、突然歴史から消えてしまったのは、首都を直下型の大地震が襲い国家機能を失ってしまったからです。今のハイチのような事が起きたのです。そのハイチは、これから起きることの型示しだとも言われています。型示しというのは、別の言い方をするなら相似共振です。ハイチの場合首都付近が震源地で、この形が今後世界のどこかで起きる可能性があるということです。04年に新潟県の中央部で中越地震が起きましたが、新潟県の形と本州の形は相似です。相似共振ということからいえば、いずれ本州の中央部で地震が起きるかもしれません。時代は、そういう所に来ています。


**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**  255号 2010. 4/5