**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**   253号 2010.2/5

 今年は、様々な分野で大きな変化が起きそうです。まず物質次元からですが、農業分野でも昨年末に『改正農地法』が施行されましたから、農地にも新しい動きが出そうです。
 今号は、日本の農業環境(食料環境)について少しですが説明しておきます。

○日本は農地も食料も無くなる

 日本の食料自給率は40%です。これは、1億2千700万人の内の5千万人だけが自給できていて、残り7千200万人分の食料は輸入に頼っているということです。それにもかかわらず、日本の農地は年ごとに減少しています。

 最近の農地減少をアナログ的に説明しますと次のようになります。1995年には、日本の農地(水田と畑)は540万haで中国地方と四国の面積がありました(日本地図を広げて読みすすめると解りやすいです)。それが、10年後の05年には徳島県に近い面積を失っています。現時点(10年)では、さらに香川県ぐらいの面積を失っているはずです。主な原因は、宅地化と山林化です。
 そして今、耕作放棄地(減反協力のための調整水田を含む)が、高知県の広さ(70万ha)になっています。したがって、正味の農地は中国地方と愛媛県の面積です。この流れで行くと、15年後の2025年には、愛媛県分も失い正味の農地は中国地方のみの面積(320万ha)になっているでしょう。95年からの30年間で、四国の面積(180万ha)に等しい農地を失うことになります。

 しかも、残っている農地も、化学肥料を投下しなければ作物の育たない農地ですから、化学肥料が入手できない事態になれば日本に農地は無いことになります。自給率40%どころの話ではありません。『日月神示』などで告げられているように、「木の根、草の根に助けられる時代」が来るのかもしれません。

 地球レベル(70億人)で考えると、食料の余剰在庫はありません。お金のある国から順に必要なものを買っているという状況です。貧困国は買えない状況です。その面で、中国が食料輸入国になりつつあることが、世界各国の恐怖になっています。すでに日本は、マグロやロブスターなどで「買い負け」しており、輸入量が減っています。もし中国に干ばつがあれば、日本の食料輸入はパニック状態になると言われています。中国の場合、食の20%を輸入するとなれば2億7千万人分の食料となり、アメリカ合衆国の人口分ということになります。強くなった「元」で、必要量を世界中から食料を買い集めるでしょう。日本の輸入は危うくなります。

 日本の農業を復活させるには、一度既存の社会システムが崩壊する必要があると思います。農政だけの問題ではありません。私たちの考え方(価値観)の転換がまず必要です。生存の根本である「食」を、なぜ他国に依存してはしゃいでいられるのか・・・。考え方の再構築には、神々の言うように、野草を食べて命をつなぐような体験が一度は必要なのかもしれません。

○食のヘッジは農地の所有しかない

 西ヨーロッパでは市民農園が発達しており、都市に暮らす人の多くが野菜類を自給しています。第二次大戦のとき、市民農園があったために餓死をまぬがれた人がたくさんいます。市民農園といっても日本のものとは規模が違い、農園には短期間の宿泊ができる程度の家を建てています。
 ヨーロッパ人が市民農園を求めるのは、民族的に田舎の生活が本来的で都市の生活は仮の生活だと考えているからだといわれています。中産階級は、たいがい田舎に大規模な農園を所有しています。それは、ステータスにもなっています。

 元共産国諸国には、ヨーロッパよりさらに規模の大きい市民農園(ロシアでは『ダーチャ』という)があって、都市世帯の7〜8割が野菜類の自給をしています。そして、夏休みシーズンは市民農園で暮らすのが一般的な生活スタイルになっています。
 元共産主義国の市民農園は、共産主義革命のときの約束(労働者に土地を返す)が果たせなかったために、不満をかわすために作った制度といわれています。しかし、これがあったために、共産主義が崩壊したときの大混乱(食品流通が止まった)の中でも餓死者を出しませんでした。みんな農園に引きこもって、ジャガイモなどのストック食料を食べながら事が落ち着くのを眺めていたのです。

 食が不足するときは、必ず社会混乱とセットになりますから、倉庫に食料のストックがあるだけでは不十分です。農地は、食の生産だけでなく避難地にもなるという二つの機能を持っています。この面で、食のヘッジは農地を所有する方法で行うべきです。
 しかし、日本の法律(『農地法』)では、都市生活者が農地を所有することは禁じられています。私はこれはこれでよいと思っています。日本人は、植物は好きなのですが大地は好きではないようです。江戸という人工都市が作られたとき、田舎出身者の集まりだったのですが、農地を求める運動は起きず、感心は盆栽づくり(植物)に向かいました。今のプランター菜園や市民農園も、ヨーロッパ人の目で見れば農というよりは盆栽(園芸)でしょう。日本のお金持ちが農園(大規模な農業生産法人)を持たないことからも、日本人は大地(土壌)に興味を持たない民族といえます。大半の人は、大地の管理は無理でしょう。

 このような私たちが、ヘッジとしての農地を所有したいという場合は、まず所有と管理を分離して考えるべきです。また、いざという時使えればよいわけですから、所有形態も必ずしも直接所有である必要はありません。間接所有で、管理は別の人に依頼するというのであれば、都市で生活しながら農地を所有することができます。この方法で、「日本版ダーチャ」が作れます。具体的な方法を次号で説明します。


**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**  253号 2010. 2/5