**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**   195号 2005.12/5

 吉備高原の現地作業が膨大なものになってきました。まだ建設の準備作業といってよいのですが、これは図面のない作業なので別の意味で大変です。メルマガの入力担当者が、エンディングを考えておくようにと言うのですが、そう言われると書いておきたいことが山のように出てきて困っています。今回は、機会があればゆっくり読んで見たいと思っている本を紹介します。

<自我意識の誕生>

 メルマガでは、よく自我意識(パーソナルティ意識)とかグループ意識とか言っていますが、この自我意識は、今から四千年ほど前に生まれたものだと、アカデミックな世界で論証した人がいます。アメリカの心理学者で、ジュリアン・ジェインズという人です。
 この人は、生涯一冊しか本を書いていないのですが(1876年)、その本が30年経ってやっと日本でも翻訳出版されました。

『神々の沈黙』〜意識の誕生と文明の興亡〜
紀伊国屋書店 05年4月初版 3.200円

 アメリカで出版されたときは賛否両論で、どちらかといえばトンデモ本のように扱われていたのですが、次第に評価が高まり、「20世紀後半において最も影響力の大きい書」といわれるようになっています。
 書評の一つですが、「本書に収められた独創的発想の重みがあまりにも大きいので、私は著者の健康を懸念するほどだ。人間の心はこれほどの重荷を担るようにはできていない」(このコメント通り、ジェインズは1997年77歳で脳溢血でなくなっています)。

 彼は、ギリシャの古典や『旧約聖書』の中の語りの変化をたんねんに調べ、古いものは神の語りしかないのに『出エジプト記』あたりから神の語りが少なくなっていることに着目したのです。
 そして、大変な量の証拠を上げながら、四千年前に自我意識か生まれ三千年前には自我意識のみになった(神の声が聞けなくなった)と結論づけています。

 宗教や精神世界では、自我意識が後に生まれた意識であることがごく普通に語られていますが(「創世記」失楽園の章では、自我意識の誕生が物語風に説かれている)、ジュリアン・ジェインズによって、科学的にも論証されたことになります(30年後の今も、反論はないようです)。興味と時間のある方は読んでみてください。事例に使われている文献を読むだけでも10年ぐらいはかかりそうです。

<自我意識の消滅>

 自我意識(パーソナルティ意識)とは、自分という立場(座標)から外界を見る意識です。頭で判断することのすべてとも言えます。良い事をしようというのも自我意識の判断です(集合意識の側からいえば絶対悪になります)。
 ジュリアン・ジェインズも確認していますが、それは学習によって生まれるものです。主に親から、半自動的にプリントされます。これは、子供は生まれた瞬間から生きることにおいて親に同調するしかないからです。
 このようなことから、自我的なもの(価値観、思考方法、表現方法など)は、親子、兄弟は似たものになります。そのために、一族は同じような人生パターンを取ることが多いですし、同じような病気にもなります。これは、量子力学的に考えれば(意識が物質の在り方を決定する)シンプルで解りやすいと思います。

 自我意識が親だけによって作られると、第三者との共通性がなくなるので大きな社会が形成できません。そこで、教育によって共通の価値観、判断基準をプリントして行くわけですが、どこまで教育してみても思考の座標がそれぞれですから、自我意識を使う社会に完全調和、完全秩序はありません。秩序を作ろうとするなら、誰かの座標に全員が従わなければならないことになり、従う側は大変な苦痛(ストレス)です。このために、自我社会(体制)の寿命は短いものになっています(縄文時代のように千年、二千年とつづく社会はありません。最近は100年持つ体制がありません)。

 自我意識は、どんどん発達して行く(小さな価値世界に入って行く)性質を持っており、最後は一人一人独自の世界に暮らすしかなくなります。
 精神世界の説くところでは、自我が極限に至ったとき意識の反転が起き、集合意識に帰って行くことになっています。自我の消滅です。
 ジュリアン・ジェインズも、これから入って行く三千年記において人間の精神構造が変わるかもしれないと言っています。本には書いていませんが、何かを見たのかもしれません。楽しみにしていましょう。

・・・・内輪話しですみません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12月に入ると急に寒くなってきました。我が家でも室内温度が10度を下回ったので、ストーブをつけました。コタツはまだ出せる状態ではないのでしばらく我慢です。しかし今年は灯油が値上がりしているので、できるだけストーブも我慢したいところです。綿入れ半纏とダウンのジャケットは我が家の必需品です。室温を上げないので着膨れています。


**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**  195号 2005. 12/5