**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**   172号 2005.4/15

 前号で、ハイパーインフレの一つの形をシュミレーションしましたが、信じられるでしょうか。今号では、それに対し何をしておいたらよいのかを説明する予定だったのですが、その前に、「癒しの郷」の進行状態を紹介しておきます。これを知っておくと、今何をしたらよいのかがより明確になると思います。

○「癒しの郷」計画は、順調に進んでいる

 メルマガを読んでいる限り、事が動いているようには見えないでしょうが(笑)、私が走り回らなくても時代の方が、「癒しの郷」の納まるところを作ってくれています。

 「癒しの郷」計画は、スタートしたときからグループの法人化を前提に話を進めています。実は、これで事は決まっていたのです。
 この4月1日から、構造改革特区の全国版ということで、株式会社の農業参入が可能になりました。株式会社が農地を借りることが可能になったのです。しかし、まだ十分ではありません。現実問題、株式会社が農家から農地を借りるのは交渉面で簡単ではありません。

 ところが、事はどんどん進んでおり、今の通常国会に「農地法」、「特定農地貸付法」、「農業経営基盤強化促進法」の改正案が提出されています。これが通過すると株式会社が農地を借りることが非常に簡単になります(改正案が、今国会で成立するかどうかは、この号を書いている時点ではわからないのですが、農業環境の状況からいって何年も先になることはありません。農水省や農業組合中央会は成立を前提に動いています)。

 改正案が成立すると、市町村は株式会社の「参入区域」を定めることになっています。そのエリアで農業を行う場合、農地の借り入れについては農業委員会が業務として動いてくれます。その辺りの文章を紹介しますと、以下のようになっています。

(1) 市町村が、耕作放棄地や放棄地になりそうな農地がまとまって存在する区域を「参入区域」として設定
(2) 市町村は、農地の所有者から区域内の農地を買い入れるか借り入れる
(3) 株式会社と市町村が、「農業以外の用途に土地を使用しない」などとする協定を締結し、市町村が農地を貸し付ける

 今国会で、先の改正案が成立すると、「癒しの郷」計画は、すぐにでもha規模の農地が借りられる状況が生まれます。農地を借りる際、現地常駐者のための宅地がほしいといえば、便宜をはかってくれるかもしれません。過疎化の状況からいえば、つっぱねることなどできないはずなのです。

 又、今、耕作放棄地の多い場所(私の手元に、岡山県下の集落別の耕作放棄地を数値化した膨大なデータベースがあります)に宅地を確保しておき、「参入区域」に指定されたらエリアの農地を借りるという方法もあります。この方法は、「仁慶メモ」NO64でイラスト付きで説明しています。農業後継者がほとんどいない状況からいえば、いづれ、ほとんどのエリアが「参入区域」になるでしょう。

 さらに言いますと、過疎市町村の財政は相当悪化しており、歳入確保に体裁は言っていられない状況になっています。主要歳入である、地方交付税交付金を増やすための人口補充も行わざるを得なくなるでしょう(住民1人につき30〜50万円の交付金が入る)。人口補充の方法として、刑務所誘致運動を行っている自治体があることをテレビ報道で知りました。確かに原発よりは安全でしょう。地方はこのような状況です。
 私たちが、何十人か移住したいといえば、よくわからない団体だと思っていても、目をつむって便宜をはかってくれるかもしれません(笑)。

 おそらく、06年度ぐらいから年ごとに、「癒しの郷」建設の社会条件は良くなって行くでしょう。つまり、作りやすくなって行くということです。
 しかし、その一方で、年ごとに自然災害は大きくなって行きそうな気配であり、財政破綻(ハイパーインフレを伴う経済混乱)の危機も増大します。大変難しい局面になってきたと感じています。

 多くの方は、自然災害に遭ったり、経済混乱に巻き込まれたりがきっかけとなって新しい暮らし方を決断することになるでしょうが、そこまでいってゼロスタートするのでは間に合いません。全く自給技術のないまま田舎に移動したのでは、荒廃した都市にいるよりつらいでしょう。地下街やガード下はないですから、まず、雨露をしのぐことから始めなければなりません。

 「癒しの郷」では、先発メンバーが土地などは確保しているでしょうが、いつ使うかわからない家を作り置きしておくほどの余裕はないと思います。家はその都度作って行くことになるでしょうから、小屋が作れる程度の技術は事前にマスターしておいてほしいと思っています。これだけ災害が多くなってくると、そういう技術を持っておくことが大きな保険にもなります。
 そういう意味もあって、今、住宅の組立実験(平行して実習も行う)のできる場を確保することに、全力を注いでいます。

 話は変わりますが、この原稿を書いているさなか、1年ほど前に会った人から(メルマガでも紹介した山林を2haほど買って開墾している60代の夫婦の方)、隣地が競売に出るらしいので、その前に買ったらどうですかという電話が入ってきました。話は農協の理事長さんが持ってきたといいますから、情報は確かです。私のことを親類だということで話をしておいたというのです。有り難い話です。
 1.4haの農家物件なので、分家コミュニティには使えるでしょう。10人ぐらいは暮らせるはずです。農協には直接問い合わせていないのですが、話の内容から推測すると、500〜600万円ではないかと思います。

 しかし残念ですが、この話は今の私には、資金的にも、準備的にもついて行けません。この件を例題にして、裁判所と農業委員会に、「農地の競売物件を落札して、即新規就農という方法はあるのか」と尋ねたのですが、返事はもらえませんでした。倉敷では前例がないようです。これは研究する価値がありそうです。競売物件の農地については、農家資格がないと入札できないのですが、新規就農の場合は農家資格がなくても農地が買えます。競売が開かれたものである以上、そこから新規就農という方法があるのではないかと思ったのです。興味のある方は研究してみてください。

・・・・内輪話ですみません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
去年まではツバメが来るのが早くなったと思っていたのに、今年はまだツバメの声を聞きません。我が家に来ないのか、それとも他所にもまだ現れていないのか・・・。ちょっと心配です。気候がおかしいですし、地震もあるし。我が家に何か災いの予兆があって来ないのでしょうか。いろいろ考えると不安です。


**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**  172号 2005. 4/15