**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**   159号 2004.12/5

 今号は、予定を変更して11月の報告と、皆様へのお願いを書かせていただきます。前号で、「グループ生活者を対象にした人口補充事業」の提案書を全国に送るという計画を紹介しましたが、まず、その目的を簡単に説明しておきます。

<目的1.自治体関係者に生活スタイルを知ってもらう>

 私たちは、安全で(キャパシティが大きい)、平和で、心地よい暮らし方としてコミュニティを考えているわけですが、農山村の人には全く理解できない生活スタイルです。日本の場合、過去千年以上も核家族に近い小さな単位で生活してきたわけですから(社会制度もそれが前提になっている)、大陸のような大家族でさ奇異に感じるような文化になっています。まして、血縁を越えた生活グループなど概念の中ににもありません。人は概念にないものは否定します。

 このような事から、コミュニティを建設しようとすると、まず地元の反対があると思っていた方がよいです。そのとき、私たちはカルト集団ではない、妖しい宗教ではない・・・と言っても聞いてはもらえないでしょう。カルト集団も同じ事を言うでしょうから、その場になってそんな説明をしても無意味です。地元の人が認めない存在なら、たとえ土地は私たちのものであっても、沢水は引かせてもらえない、用水路への排水は許可してもらえない、ゴミステーションは使わせてもらえない・・・ということになって、生活基盤としては使えなくなります。

 このようなトラブルを避けるためには、出来るだけ早い段階できちっとした説明をしておくことが一番なのですが、場所も決まらない内にそんな事はできません。
 仮に場所が決まったとしても、地元の人は移住者の言い分を聞ければならない義務はないわけですから、移住者が直接地元の人に考え方を説明するというのは大変難しい問題です。

 地域の理解を得るには、どうしても間に立って正しい説明をしてくれる人が必要です。不動産業者なども商売上そういう協力はしてくれるでしょうが、信用があるといえば地元自治体です。この自治体との関係を作っておくのに、「特区法」を活用した提案は大変良い方法だと思っています。
 事業の提案なら、私たちの進行状況とは関係なく、全国の自治体と関係を作ることができます。いやいやながらでも、提案書に目を通してもらえれば(法律に則った提案ですから目を通すでしょう)、私たちの考え方を知ってもらうことができます。担当1人ということはないです。同じセクションの人は、知ることになるでしょうし、家で話題にしてくれれば、さらに知る人が増えます。これだけで、一つの目的は達成されます。(これには別の深い意味もあるのですが、これは今のシリーズで説明します)

 その後、その地域に何らかの縁ができて(物件が出るとか)訪ねて行く時、役所に立ち寄って「以前、特区法の申請提案をさせてもらったものですが・・・云々」と言えば、話しの切り出しはできるでしょう。「四条五項による回答はいただいておりませんが・・・」と言えば、別室に案内されてコーヒーが出てくるかもしれません。(笑)

<目的2.提案の人口補充事業を行ってもらう>

 提案書を送った自治体の中から、1カ所でも事業を行いたいので協力してほしいという申し出があれば、一気に計画が進みます。
 その時、他の自治体にも声をかけ、共同研究事業にもって行けば、資金も大きなものになります。

<目的3.自治体の長に別の社会システムを知ってもらう>

 今、国も地方も財政が行き詰まり、三位一体改革などの財政の合理化を進めていますが、合理化で解決できなかったときのことは何も考えていません。以前の経済シリーズでも触れましたが、インフレや天変地異が重なると、合理化など無力です。別の社会システムが必要になります。しかし、その時のための社会システムなど誰も考えてはいません。

 新潟県の山古志村の復旧を見ても、以前の復元です。過疎が発生した社会システムをもう一度作ってどうするのでしょう。お金のかかるシステムですから国のお金がなくなれば、社会消滅です。
 戦後、空爆になって破壊された都市の復旧で、以前を再現したところはありません。区画整理を行い、道路を拡張し、上下水道を敷設しました。

 山古志村などは、次の社会システムを作るまたとないチャンスです。地震によって従来システムの欠陥が露呈したわけですから、別のシステムで復興すべきでしょう。例えば、水道は井戸方式に、広い道路よりはヘリポートに、通信は無線方式に、電気は個別発電と併用する、集落は共同体にする・・・など、都市のシステムから脱却するシャンスです。全員立ち退いているのですから、今なら何でもできるはずです。
 関東大震災の後、被災者住宅として作られたのが有名な同潤会アパートです。今流に言えばコレクティブハウスです。農山村なら今こそコハウジング集落を作ってもよいように思います。

 しかし、そんな話は何もありません。おそらく、行政というより、体制そのものが老人化したのだと思います。今の行政システムは、国の財政が破綻したとき終わりとなります。その時の対策はどこも考えていないのですから、個人はたまったものではありません。
 提案書の補足資料として添付する「財政破綻後の中山間社会の在り方」は、その時の一つの処方箋となります。自治体破綻は、今の長の任期中にありえることです。これを読んでもらうのも、事業提案書を送る一つの目的です。またここから、もう一度事業の話しに帰ることになるかもしれません。

 ここからは、先月の報告なのですが、岡山県の過疎の自治体を40団体ほどリストアップして(平成17年3月末まで存続する自治体)、内、28団体に事業提案書をメール発信しました。28団体になったのは、9団体のメールアドレスがわからなかったことと、3団体には受付けてもらえなかったからです(システム上の問題らしく、理由がわかりません)。しかも、連続発信したために、どこの自治体に入らなかったのかわからないということになりました(解析する予定にはしています))。

 そして、10月に発信した2団体からは回答がこなかったので(この場合、部門レベルで処理が終わっており、自治体の長には内容が伝わっていない)、自治体長に宛てて、先の「財政破綻後の中山間社会の在り方」を郵送しました。一般郵便物と区別するために配達記録郵便にしました。送ったという証明力があります。もっと確実に自治体長に読んでもらう方法もあるのですが(内容証明郵便にするとか)、数が増えるとコスト的にできません。

 そして、ここからが皆様へのお願いなのですが、事業提案書については500団体ぐらいに発信したいと思っています。私の方で行う予定ですが、他府県の状況が全くわかりません。今、全国的に市町村合併が進んでおり、今年いっぱいで消滅する自治体もたくさんあるはずですなのですが、県外のことになるとそういう情報が手に入りません。また、合併し新自治体名になると過去の経歴がわからなくなります。皆様の暮らしている地域の情報を送っていただけないでしょうか。条件に該当する自治体の、自治体名、住所、TEL、メールアドレスをリストアップして転送していただければ有り難いです。

 岡山県の場合、県庁のサイトの中に市町村総合サイトがあって、そこから県内すべての自治体サイトに入れるようになっています。トップページにアドレスが記載されていれば早いですが、次のページに入って行かなければならないケースもあります。どんなにしてもアドレスが分からない所もあります。
 ボランティアを引き受けて下さる方がいましたら、まず、担当出来る道府県を知らせて下さい。よろしくお願いします。以下のURLに、発信する提案書の全文が入っています。

ネット提案
http://www.kumonoito.jp/teian.html

・・・・内輪話ですみません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中越地震によって山古志村がクローズアップされ、地域の共同体がいかに大事であるかが再確認されていますが、古くからの村落共同体では新しい人たちを受け入れることは出来ないし、入る事もできません。「癒しの郷」を広く知らしめることにより、古くて新しい暮らし方を認知してもらい、共同体での生活が必要な人たちが気軽に集まり、暮らしていける場所が提供されることを願っています。


**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**  159号 2004. 12/5