**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**   151号 2004.9/15

 今月は、火山の噴火あり、台風あり、地震ありの大変なスタートとなりました。時代が変わるときは自然災害もセットになっていますから、そろそろ今の体制も終わりなのかもしれません。
 今号は、メルマガの最終号のつもりで書いておきます。書けるときに書いておかないと、情報発信機能が壊れてしまうと、尻切れトンボで終わってしまいますから。少し長くなりますが、おつき合い下さい。

8.せまりくるインフレ

 経済シリーズの復習をかねて、補足説明を加えておきます。
 まず、メルマガ143号からの抜粋ですが、「・・・インフレはだいたい30年ぐらいの周期でおきています。前回のインフレは、オイルショックがきっかけとなり1974年に起きました。30年前です。さらにその前のインフレは1945年の敗戦をきっかけに起きました。60年前です。
 又、60年周期になるインフレは大きいものになるといわれています。・・・05年は、敗戦から60年目に当たります・・・」

<補足>
 先と同じ話が、堺屋太一『平成三十年への警告』の中でも触れられており、1900年から10年刻みで物価現象を解説していましたので、わかりやすいように文章を表にまとめてみました。

<年代>   <物価>
1900年代  低迷
1910年代  急騰(第一次世界大戦)
1920年代  微騰
1930年代  低迷(大恐慌)
1940年代  急騰(第二次世界大戦)
1950年代  低迷
1960年代  微騰
1970年代  急騰(オイルショック)
1980年代  微騰
1990年代  低迷(構造デフレ)
2000年代   ? (  ?  )

 さて皆様は、2000年代の(?)の欄に、どういう言葉を入れるでしょうか。流れから行けば「急騰」(大インフレ)となります。きっかけは自然災害(地震)でしょうか。

 メルマガ145号ですが、「そして、大きな社会不安が発生したとき、お金と商品のアンバランスが生まれ(生活必需品だけが商品になる)、インフレが始まっています。そのインフレは、過去の例では30年ぐらいの周期でおきています・・・オイルショックからいうと、今が30年目になります。そして、社会に十分すぎるお金があります。・・・ここに大きな社会不安が発生すれば(東京大地震が起きれば確実です)、800兆円のお金は生活必需品をめがけて流れ込み、とんでもないオークションが始まります。大インフレです。・・・」

 先の表を見ながら読むと、リアリティがあるでしょう。前号で、私の家の近くで台風の為2000世帯が高潮の被害を受けたと紹介しましたが、近所のホームセンターは連日大変な人でした。局地的な事なので商品補給はありますが、大規模な災害だと品切れになり、高い値段でないと入らなくなります。そして、インフレの引き金となります。

 次に、メルマガ143号からですが、「・・・大きなインフレが起きると、お金(預金や債権も)が紙くず化します。お金には何の価値もなくなります。・・・100万円の国債が、償還期日が来たときには、コシヒカリ5kgしか買えなかったということになります(戦後のインフレでこの体験をした人は、今でも国債など絶対に買わないです)」

<補足>
 先の話しの実際の体験談が、杉内一成『放っておけば日本はきっと破綻する』という本にありましたから、原文のまま紹介します。

「・・・昭和10年の初めに、私の父が20歳の満期の徴兵保険を500円掛けてくれました。当時2.000円ぐらいで家一軒が建てられた時で、今で言えば500万円ぐらいに相当すると思われます。昭和28年に満期になったので受け取りに行きました。
 その間に、約2000倍のインフレで貨幣価値が下がってしまったのに、保険契約の約款には「物価スライド条項」がなかったため、満期保険の500円は友人と夕食をしたら一晩で使い切ってしまいました。・・・」

 この本を書いた杉内さん(今80歳くらい)は、大変まじめな方で、自費で政策を書き連ねた文字ポスターを作り選挙に立ったそうです。一万票余りの票を頂いたとありました。
 政策の骨子は、「今の世代の作った借金は、今の世代で返済し、次世代に持ち越してはならない。(このために、選挙権を16歳以上に与える)。「公的年金制度を死守すること。そのために大インフレを発生させてはならない」(このためにも今の世代で借金を返済する)というものです。

 この本は何年か前に書かれたもので、「政府の借金が1千兆円を超えたら返済の方法がない、今なら何とかなる」ということで、返済の計算式が立てられていました。
 しかし、今(04年3月末)、国の借金は公表分だけで1千兆円を越えています。もう計算式も立てられないということです。

 私たちは、もう引き返すことのできない領域に踏み込んでいると考えるべきです。この先は、大インフレによってすべてを精算するしかないと思います。
 なぜ精算なのかは、147号で説明しました。政府の1千兆円を越える借金は、私たちが行政サービスという形で受け取っているのですから、政府で処理できないなら私たちが背負うしかないのです。サービスもお金(預貯金)もという二重取りはできないということです。
 
 もし二重取りをしたなら、次世代が借金返済することになり、増税で彼らの生活は疲弊するでしょうから、賦課方式の年金制度はささえられないでしょう。すでに人口構成の問題(子供が少ない)で危うくなっているのですから、なおさらのことです。

 04年9月2日の新聞で、「国家公務員、私学共済も赤字」という記事を見ましたが、これで厚生年金、国民年金など皆、単年度収支が赤字になって行くという状況になりました(今は、それまでの黒字分の取り崩しで支給している)。
 148号で年金の話しをしましたが、各団体の構成員の年齢構成が変化したためで(年金料を払う人より受け取る人が多くなった)、もう子供の世代がいないのですから立て直しは無理というものです。いづれ、どの年金も支給額の大幅カットになるでしょう。

 このように、インフレから逃げ切れたとしても、年金はなくなってしまうのです。この場合、老後はそれまでに貯えた預貯金だけが頼りになるのですが、収入がなくなれば、1千万円の預貯金も夫婦で使えば3〜4年の生活費で消えてしまいます。そこから先は何もありません。

 そして大きなインフレが起きれば、もっと大変で預貯金も年金もダブルでなくなります。賦課方式の年金といえど、子供の数が少ないのですから、二度と今のような支給計算には戻らないでしょう。今の半分くらいの支給額になるのではないでしょうか。今の状況からいえば、ダブルで失う可能性が一番高いです。

 この先は、お金を必要としない生活システム(自然の生産力を活用する暮らし方)を持っていることが、最大の保険であって財産ということになるでしょう。

 なお、「自然の生産力を活用する暮らし方」というのは、農業をすることではありません。それも必要ですが、花が咲けばミツバチに密とロウを集めてもらい、草があるならヤギに乳に変えてもらい、さらにヨーグルトやチーズを作り・・、ゴミが出るから微生物に有機物に変えてもらい・・・、家が必要になったら、そこにある素材を使ってゼロコストで建てる・・・といった暮らし方です。

 生活に必要なすべてのものを、生活エリアの中にあるモノと人のノウハウで作り出す暮らし方です。本当にお金を必要としない暮らし方です。
 そのノウハウを、今から一人でマスターするなど不可能ですから、グループを作って手分けして学び、グループ全体として自給自立能力を確保しましょうというのが「癒しの郷」の考え方です。

 田舎に行けば助かるわけではありません。今の生活が壊れてから行けばよいではないのです。技術のないまま行けば、都市にいるより危ないです。現金を得る道はないし、ホームレスで生きられるところではありません。
 しかし、自然(摂理)を活用する技術があれば、つきることのない永遠の恵が与えられるところです。生産は人間がしなくても自然にまかせて、人間は技術で採取すればよいのです。

 もし、お金で買えるノウハウがあるなら、今の内に買っておいてください。そういう考え方を身に付けて下さい。それは、お金に購買力のある間だけできる有利なことです。大インフレが起きるとそんな事はできなくなります。

 独学というのはけっして安くないです。結局、お金も時間も失います。今となっては、時間がおしいです。私事ですが、今「癒しの郷」の構想を紹介していますが、このシステムを構想するのに月平均3万円の費用(本代などの資料費、見学などの交通費、実験費など)を使ってきたとして、30年のトータルで考えれば一千万円を越えます。仕事の犠牲分を加えるとその2倍、3倍という金額になるでしょう。それでいて、この程度のことでしかないのです。
 一方、木工技術の方は、学校に行ったので1年間の仕事収入を犠牲にするだけでマスターできました(失業保険をもらっていたので正味の犠牲は半年でしょう)。
 私の体験では、ノウハウをお金で売ってくれるところがあるなら、お金で買った方が絶対に安いです。

 「癒しの郷」プランでは、研修・実習施設もシステムの中に組み込んでいますが、これは移住する技術、生活の足場を作る技術を伝えるのが基本目的で、とても自給技術までは手が回らないでしょう。鎌の研ぎ方をマスターするにも半年はかかります。短期間の研修・実習では無理です。

 したがって、一つでもよいですから、事前に自給技術(衣食住を自分で作る技術)を身に付けておいてください。漬け物の技術、乾物を作る技術、立派な自給技術です。そういう技術を持っている人が数十人集まれば、すぐ自給自立できるコミュニティが作れます。
 そして、暮らしながらお互いの技術をシェアして行けば、全員トータルな技術が身につき、分業社会にある共依存の関係もなくなります。縛ることも縛られることもない暮らしが生まれます。これが、理想的なコミュニティの作られ方です。

 自給技術が少なくレベルが低いと、自立に時間がかかり、現金に依存する生活が長くなります。「癒しの郷」では、そのことも考慮して都市にも生活基盤を持っておくプランにしています。

 なお、前号で紹介しました「癒しの郷」のバリエーションの一つの作り方、全体説明部分(1)、(2)が、「仁慶メモ」に入力されました。これは実行しようと思えば、今からでもそのまま作れます。研修・実習機能も組み込んでいます。できれば目を通して、概念だけでも刻み込んでおいて下さい。概念がなければ、声をかけても行動に移せないと思います。

 長い文章になりましたが、これだけ書いておけばパソコンが壊れても安心です。これでゆっくりできます(笑)。

・・・・内輪話ですみません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本当に何が起こるかわりません。このメルマガもまだ続く予定ですが、過日の台風で我が家が被害にあったなら、後片付けに時間がとられてメルマガ発行どころではないでしょうし、パソコンだって壊れているかもしれないし、停電や電話が不通になっているかもしれません。近代技術の恩恵の中で生活しているものですから、停電ひとつで手足がもぎ取られた感じでしょうね。


**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**  151号 2004. 9/15