**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**   148号 2004.8/15

 暑いですね!としか言いようがありません。地方は旧盆の帰省客の車が多く、思うように動けません。そんな中、突然メンバーの方が、癒しの郷ハードシステムの実験場をいそごうといって訪ねてこられました。このプランは、改めて紹介します。今号は、シンプルに数字の出ない話にしたいと思います。

6.年金社会は成立しない

 年金制度が行き詰まっているのは、先進国共通のことです。144号の、インフレの原理の話で、商品には物理寿命、社会寿命があって無限に増えるものではないのに、お金には寿命がないので無限に増えていくという特性の違いを説明しました。そして、物価を上昇させることでバランスを取ると。
 経験則的には、物価は10年で4倍になると言われています。お金の側からすると、10年で4分の1に目減りするといえます。

 以上のような観点に立てば、まず「積み立て方式」の年金は成立しないことになります。若い時から積み立てたものを老後になって使うという方式ですが、インフレを考えると年金生活は実現しません。保険会社の商品である個人年金は、積み立て方式ですから、大きなインフレに出会うと全くゼロに等しいものになります。

 公的な年金制度は、「賦課方式」です。これは、今の若い世代が、今の老人を扶養する方式ですから、静かなインフレには耐えられる仕組みといえますが(ただし、1年で物価が2倍になるようなインフレに出会うと、計算方式の面で対応できない)、条件があって、一つは、経済が縮小しないこと。もう一つは、人口構成が変化しないこと、の二つの条件がそろった場合のみです。

 一見、賦課方式は成立するように思えるのですが、勤労生活は、農業などと違い労働力としての子供を、必要としないという労働形態的な問題があります。そして、子供を生むと生活が苦しくなるので、子供を生まなくなります。この結果が、1.29という出生率です。あまり話題になりませんが、シンガポールや台湾はもっと低い出生率です。
 勤労という労働システムを取ると、子供が少なくなるので、結局、賦課方式の年金制度も成立しません。

 今、日本の公的年金制度は、数字的には完全に破綻しています。今、年金基金の積み立て金が160兆円ほどありますが(このお金が国債の原資の一つになっている)、計算上では420兆円の積立不足です。今の年金制度の約束通り支給するとするなら、それだけのお金が不足になっているというのです。厚生労働省の発表数値です。

 そんな巨額な不足が生じたのは、年金の徴収不足からです。年金法では、「保険料は、少なくとも5年ごとに、この基準に従って再計算されるべきものとする」となっており、5年ごとにアップすることになっていたのです(学生時代(1970年頃)経理のアルバイトをしていた時も、上司がそういう事を言っていました)。ところが、適切に保険料(掛金)はアップされることなく、今日まで来てしまい、420兆円の赤字となってしまったのです。

 そして、今年の年金法改正で、420兆円の穴埋めをするために今度は毎年保険料を上げていくことになったわけです。こんなのアリ(?)といったやり方です。それでも不足の穴埋めはできないので、国庫負担金の配分も増やすことになっていますが、その税源はないままです。従ってすでに年金支給を受けてい人も安心はできません。何年か先のある年、年金支給は一律40%カットという法改正が行われるかもしれません。イギリスで20年ほど前にそういうことが行われた記憶があります。

 人為生産の経済の中では、生産しなければ食べられないわけで、生産しない者(退職者)が豊かな生活を望むのは無理というものです。
 賦課方式というのは、老親が息子に扶養される形ですから、どんな事があっても息子より豊かな生活はないでしょう。
 安心の老後を考えるなら、自然(摂理)の生産力の中で生活できるシステムを作っておくことです。自然は、インフレやGDPとは無縁です。「癒しの郷」の農山村に作ろうとしているシステムは、現代の人為経済の不完全さに対してのヘッジともいえるわけです。

・・・・内輪話しですみません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
怪談より恐い年金話しです。今年金を貰っている年寄りは、誰でも「若い時に一生懸命働いて払ったから、貰って当然」と思っているでしょう。今貰っている年金は自分たちが積立てたものを貰っていると思っている人もいるはずです。準備人夫婦の両親もこの部類です。そして停年後も仕事をさせろ、給料を出せ、というから、若者が仕事にありつけず、まともに年金や健康保険のお金も払えないのではないでしょうか。年寄りが元気で国が衰退しないのでしょうか。次代を担う若者にもっと活躍の場を与えようと思わないのでしょうか。貰う年金も年齢とともに、少なくなっていけば、若者の負担は軽くて済むような気がします。そして金持ちも貧乏人も、公務員も会社員も、議員も国民もみんな一律の年金にすれば良いと思います。


**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**  148号 2004. 8/15