**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**   147号 2004.8/5

5.インフレは貸借の精算にすぎない

 日本政府は、GDPの2倍の借金があるといっても、外国からの借金はありません。国債は基本的に国内で消化しています(今となっては、外人は恐ろしくて買えないでしょうが・・・)。
 借入原資の大半は、1400兆円あるといわれる国民資産です。政府に渡って行く仕組みは次のようになっています。

 まず、国民資産の半分は現金になっており、これは、銀行、郵便局、農協・・・といったところに預けられています。30%は、保険、年金という形で、郵便局、生命保険会社、それに年金基金に渡っています。
 そして、そういった機関が、資金運用ということで国債を買うわけです。これが、国民資産が政府に渡っていく仕組みです(数字的に見ると、国民資産のほとんどが政府に渡っていることになります)。

 政府は、国債発行で得た資金で行政サービスを行います。もちろん、税収との合算で行うわけですが・・・。内訳は、教育、社会保障、公共事業、防衛、地方への配分・・・といったようになっています。

 さて、ここからが頭の体操です。私たちの金融資産は、政府によって使われ、すでに現物の行政サービスとして私たち自身が受け取っているのです。これでなお、預貯金は私のものだといえるのかどうか。これは家庭枠で考えると解りやすいです。例えば、主人の預金を妻が引き出して、家族の食べ物を買ったとします。主人も食事をしています。この状況で、主人は、預金は自分のものだから返してくれと言えるかどうか。返せと言えば精神科行きです。町内会の預金利用でも、前任者の事業が良く無かったとしても、お金を返せとは言いません。
 ところが、国家という枠になると、行政サービスは受けていながら、預貯金は自分のものだと二重取りのような事が平気で言えるのです。精神科行きのような考え方が正論として通るのです。

 以前、メルマガ53〜55号で「小さな自給社会」という考え方を紹介しましたが、人間はどんなに知識を増やそうと、五感の届く範囲が限界のようで、それを越えてしまうと正常のタガがとたんにはずれてしまうようです。原子力発電にしても、核反応が完全に制御できるわけではないのに、目の届かない所に設置するとその危険はわすれてしまいます。原子力は二酸化炭素を出さないクリ−ンエネルギーだと言う人がいますが、核汚染はあるわけですから、とてもクリーンエネルギーだとはいえないでしょう。

 本題に戻りますが、私たちの金融資産1400兆円、正確にはその内の1000兆円は、行政サービスに変換されておりお金はありません。どうしても取り戻したいというなら(預金の引き出しを行えば)、印刷したお金にすぎませんからいくらでも増刷して返してくれます。しかし、そのお金は、商品と対になっていないお金ですから、物価を上昇させるだけになります。

 インフレは、大きな社会不安が生じたとき、預貯金を引き出してモノを買うことで始まります。大量のお金が生活必需品に殺到しますから、オークション状態を作ってしまうわけです。
 仮に、物価が100倍になるようなインフレが起きると(1年で物価が2倍になるようなインフレが6〜7年続くと100倍になる)、国民金融資産1400兆円(1人当たり一千万円)は、100分の1の購買価値になり今のお金尺度でいうと一人当たり10万円程度の金融資産となります。ほとんどゼロです。

 一方、40兆円の税収は、物価の桁上昇によって名目的には4000兆円になります。既存の借金はインフレで増えることはないですから、今の1200〜1400兆円の借金は税収内の金額になります(今は税収の30倍の借金)。借金もほとんどゼロになります。
 しかし、これには国民全員が大変な痛みを伴います。ホームレスも自殺者もたくさんでるでしょうし、犯罪なども多発するでしょう。

 大混乱の末にゼロになるなら、いっそのこと計画的に、政府は借金をデフォルト(債務不履行)して、国民の預貯金も没収した方が痛みが少ないように思えます。
 さらに、全国民が自主的に預貯金を返上したなら、一切の混乱はなく(社会にお金がなくなるのでインフレにもならない)、社会は安定的に継続する可能性があります。

 このように、政府の借金を精算する方法としては3通りの方法が考えられますが、たぶん最悪の方法であるインフレで精算するしかないでしょう。私たちの意識レベルが、その程度ということです。
 なお、私たちの世代が二重取りで逃げ切ったなら、次の世代は、借金返済(=税金)と膨大なインフラの維持管理費(=税金)で、生活は疲弊し国力も失うでしょう。

 この問題はどこから生まれたのかというと、私たちが預貯金をすることから始まりました。お金は、本来稼いだ人が責任を持って適切に使わなければなりません。しかし、私たち日本人は、お金の使い方を教えられたことがありません。使い方がわからないので貯蓄を続けたわけです。
 しかし、稼ぐだけでお金を使わないと、全体経済はどんどん縮小して行きます。生活できない人が巷にあふれることになるでしょう。だから、政府が使ったのです。

 日本のGDP(国内総生産)、約500兆円、簡単には日本の経済規模と考えればよいわけですが、50%は財政経済によるものです。今政府が借金行政をストップすると、50%の人が失業します。
 政府のお金の使い方に問題があるにしても、国民の望まない事は出来ないわけですから、結局、それが日本人のお金の使い方のレベルであったといえます。
 しかし、借金の原資もつきてきたようですから、今の社会形態は近々終わりになるはずです。

 次回は、年金社会は、論理的に成立しない社会だということを説明したいと思っています。

・・・・内輪話ですみません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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