**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**   146号 2004.7/25

 本当に暑い夏ですね。神道系の預言に、「火と水の責めで改心させる」とありましたが、本当にそんな感じのする夏です。
 そんな中、おもしろくもない経済の話しに入っていますが、何か起きるならこのシリーズが終わってからにしてほしい(笑)と思っています。

4.政府が大きな借金をすると大インフレか国家破産になる

 ちょっと大胆なフレーズですが、経済学の始祖、アダム・スミスが『国富論』の中でそのように言っています。今読んでも新鮮です。その一節を紹介します。

 「・・・公債が累積して、あるところまで達した場合、公正に、また完全に償還された例はひとつもなかった。ジェノバやヴェニチアしかり、スペインしかり、フランス、オランダもまたしかり、わがイギリスのみが無害でありえようか。
 累積の果ては、いつも公然たる破産か(今日では、ソ連やアルゼンチンのような例がある)、あるいは償還と見せかけて、実はそれよりも有害な真の破産たる鋳貨の名目の引き上げ、及品位の引き下げに終わったのである(お金が金貨であった時代は、まぜ物を入れて金貨をたくさん作って返済した。今は、商品の裏付けのない紙幣を大量増刷して返済する。そして、インフレになって紙幣の価値が下がる。結果はまぜ物のある金貨と同じです)。

 さて、現在のイギリスの財政状態では、公債を完全に償還するのはおろか、軽くすることもできない(今の日本も同じです)・・・」。

 そして、最初の「公債が累積して、あるところまで達した場合」というのは、最近の経済学では、GDP(国民総生産、会社でいえば売上)の50〜60%といわれています。
 敗戦直前の日本は、133%に達したといわれていますが、今の日本は170%ぐらいの公債残があります。ついこの間、財務省の発表があったので170%の内訳を紹介します。

 04年6月25日の財務省の発表では、04年3月末で、国債556兆円、短期証券(数十日の借金の類ですが、期日のたびに借換えをしている)86兆円、これに地方債236兆円を加えると878兆円になります。GDPが500兆円ですから、公債だけでGDPの175%になります。これに財投債120兆円(空港や高速道路を作る借金)があります。やはり、政府の借金です。
 このような量の借金、経済学的にいえば危機というレベルはとっくに越えています。これをどのように判断するかです。海外の国債格付機関は、投資不適格というランク付にしました。
 さすがの政府も、これ以上の借金行政は無理だろうということで、遅まきながら「三位一体改革」を打ち出し、地方への予算配分を削り始めていますが(04年度は、地方交付税と補助金を実質で3兆4千億円削減した)、数字で見る限り効果は疑問です。焼け石に水といった感じです。

 もう、からまった糸をほぐすような話しになってくるのですが、「三位一体改革」で、地方は歳入不足が生じてきて、予算の組めない自治体が出てきています。自治体の倒産が現実のものになってきました。
 実は、このこともあって「癒しの郷」計画を無理してまで進めていないのです。05年辺りから倒産する自治体が出そうですから、どういう処置になるのか見極めておきたいと思っています。
 例えば、人口の少ない農山村地域では、水道などは利用者負担だけではないですから、赤字分を自治体が補填しています。倒産したとき、それはどうなるのか、とんでもない料金になるのか、水道が廃止になるのか・・・。

 自治体の問題というのは、考えて行けばキリのないほどの問題があって、私たちが当たり前として考えもしないことが、当たり前でなくなってくる可能性があるのです(私たちの信じている当たり前は、政府が80兆円の予算を組んでいるときの当たり前であって、税収分の40兆円の予算になれば大半は崩れます)。

 私が住宅の仕事をしていた時(80年代)、自治体のことを調べたことがあります。住宅は一生の買い物ですから、住宅を建てたところの自治体と一生付き合うことになります。いくら土地が安くても、自治体のサービスが悪ければ、逆に損をすることにもなります。
 水道の話しで言いますと、私のいる倉敷市は、岡山県下では一番水道料金の安い自治体です。隣の笠岡市は2倍の料金になっています。一生で考えると大きな差になります。

 当時アメリカでは、今の「三位一体改革」のような事が行われており、自治体の倒産がよくありました。給料がもらえないので職員がいなくなったり、あまりにも行政サービスが悪くなり、住民が別の自治体に避難するということまでありました。又、自治体が子供のいる家族の転入を受け付けないとか(教育費の負担ができない)のトラブルも出ました。
 日本でも、そんな事を心配しなければならない事態になってきました。この事については改めて考えたいと思います。

 国債の話しに戻りますが、政府は天文学的な借金をかかえているのに、今だ毎年40兆円規模の借金をつづけています。
 これがどのようになっているかを説明しますと、実は40兆円だけを借りているわけではありません。償還期日の来た国債の支払いが出来ないために、借換えのための借金もしています。これがまた巨大な数字なのです。「日本経済新聞」のデータからですが、借換え分と新規借り入れ分の合計数値で言いますと、04年の借り入れ(国債発行)額は120兆円です。05年は135兆円、06年は140兆円、07年は160兆円、08年は170兆円・・・といった具合になっています。

 この国債発行で利率がアップすれば、「三位一体改革」など帳消しです。この巨大な額の国債を引き受けるのは、銀行、農協、保険会社、年金基金・・などですが、誰も引き受け受けるという約束はしていません。実際問題、引き受けるお金がなくなってきています。引き受け資金の原資は、国民資産1400兆円なのですが、政府系の総負債を集計すると1200〜1400兆円くらいになりますから、原資は使い果たされいると考えられます。その一つの現れでしょうが、02年に、引き受け手がそろわない事態(未達)が起きました。国債発行史上はじめてのことです。このことなど考えてみても、資金に余裕のない事がわかります。引き受け手がそろわないままになれば、金融ショートが生じ、国家破産となります。

 現実には、中央銀行(日銀)が欠けた穴埋めをしていくことになるでしょうが(今も行っている)、その額が大きくなったとき、すべては終わりとなります。インフレという形で政府も個人も戦後体制のすべてを精算することになると思います。何年も先の話しではないでしょう。
 なぜ、精算という言葉になるかは、次回に説明します。これ以上文字数が増えると娘が入力を拒否します(笑)。
 

・・・・内輪話ですみません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
連日の猛暑ですが、今回のメルマガ、経済怪談で少しは涼しくなって頂けましたでしょうか。我が家の財布はいつも涼しく、家は暑く人間の頭もヒートアップしています。


**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**  146号 2004. 7/25