**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**   144号 2004.7/5

 西日本は、もう真夏です。32〜33度が当たり前の毎日です。皆様も暑さで体力を落とさぬよう気をつけて下さい。

 今、日本の置かれた状況の大変さ(国家破綻の危機)を、経済アナリストや批評家は声高に訴えていますが、では、国家はどのように在り、私たちはどのような人生観を持ち、どのような暮らし方をしたらよいのか、その未来ヴィジョンは示してくれません。

 「癒しの郷を創ろう」では、先に暮らし方を描いてみました。整理が十分ではないのですが、今後、除々にコンパクトな文章を作って行きたいと思っています。前回紹介した「癒しの郷計画の案内文」は、最初の試みですが、もう少し手直しして、「仁慶メモ」に保存しておきます。自由に利用してもらって差し支えありません。

 そして、この新しいシリーズでは、そういう生活に入って行かなければならない、少なくとも準備しておかねばならない必然性を説明したいと思っています。
 そして、一つのキーワードがインフレ(物価の上昇)になりそうなので、その原理から入ります。実のところ、経済アナリストといわれる人の中にも、インフレの原理をよく解っていない人がいます(この話は機会があればします)準備人その2に解らせようというのが今回の最大の目的です。解ってもらわないと本気で動いてもらえません(笑)。
 インフレの話などおもしろい話ではないですから、横道に入らないよう一気にかたづけたいと思っています。

2.インフレ(物価上昇)の原理

○お金と商品はバランスする

 準備人その2に解ってもらわなければならないので、単純に考えます。ここに、住民2人の社会があったとします。そして、1人は1万円のお金を持っており、もう1人は1冊の本を持っていたとします。この社会には、それ以外の価値物はありません。
 さて、本を持っていた人が、全部読み終えたので売りたいと考えました。この時、いくらの値段を付けるでしょう。普通の人なら、1万円の値段を付けます。

 ところが、お金を持っていた人は、海外投資をやって5千円稼いでいたとします。このことを本の所有者が知ったらどうするでしょう。たいがいの人なら、1万5千円の値段にするでしょう。これが人間の経済観です。
 この経済観があるがゆえにお金の量が増えると、それに比例して物価も上がるのです。例えば、バイオリンの名器ストラビ・バリウスは、今は何億円という値段ですが、同じものが百年前ならせいぜい何万円かでしょう。お金の量が増えたために、何億円という値段になったのです。これがインフレの原理です。

 しかし、5万円で買ったものを、5億円で売るような汚いことをしてはいけない、政府の力で制限を加えるべきだという人がいるかもしれません。そのことを考えてみます。
 これは、複数人のモデルで考えると解りやすいです。何千人かの人がおり、総額で10億円のお金があったとします。一方、商品もたくさんあり総額で6億円であったとします。価格統制が取られており、商品の値段が固定だとすると、早く買った人勝ちになります。6億円のところでは、商品が買えますが、その後の4億円は、商品の買えないお金となります。これだと、世の中には商品の買えないお金が有ることになって、次第に、お金ではなく現物が欲しいという人が出てきます。貨幣経済の崩壊です。

 これは、スーパーマーケットに、ほとんど商品がない状況に似ています。こういう状態だと、給料をお金で貰っても意味がないですから、モノで欲しいというようになるでしょう。
 商品値段が固定しており、お金がその何倍もある状態というのは、個人的には良いかもしれませんが、全体としては、お金がお金として機能しなくなるのです(逆に、商品の方が多いケースも紹介したいのですが、話しが複雑になるので省略します)。

 しかし、現実には価格統制はないですから(政治的に行うような事があっても長く続かない)、市場メカニズムによって、これは商人とお客の無言の駆け引きなのですが、お金の総額と商品の総額は、バランスの取れるところに納まります。

○お金の方が多くなるので物価上昇で合わせる

 そして、ここからが重要な部分なのですが、お金を使う経済では、商品よりお金の方が多くなることになっています。これは、お金と商品の特性の違いによります。
 つまり、たいがいの商品には、物理寿命、社会寿命(流行遅れになったりする)があり、いくら作っても無限に増えて行くものではありません。

 一方、お金には寿命がありませんから、一度発行されたお金は減ることがありません。それどころか、銀行に預けておくと利息を生んで増えてくれます。
 このようなことから、世の中のお金の総額と商品の総額を比較すると、お金の方が多くなる傾向にあります。(これがインフレの原因だから、お金を計画的に減価させようと提唱したのが、シュタイナーやゲゼルで、この話はメルマガの古い号で紹介しました)

 そのお金の量をさらに増やすのが、政府が借金をして行う行政サービスです。借金のお金には商品の裏付けがありません。それで道路や橋を作った場合、工事をするのは民間人ですから、工事代金は社会に渡ります。しかし、道路や橋はこれまた商品ではないですから、商品と対になっていないお金が大量に生まれたことになるのです。大きな政府の時代になると、このお金が半端ではありません。

○物価上昇は何十年もがまとめて行われる

 そして、ここからが問題の部分なのですが、お金の量が増えると、それなりに連動して商品の値段が上がらないとつり合いが取れなくなるのですが、平和で、物資がスムーズに流れているときは、物価上昇が起きにくいのです。
 自由経済では、常に同業者間の競争があり、製造コストが上昇しないのに1人だけ商品値段を上げることはできません。そんな事をすれば、客を失ってしまいます。
 又、平和なときは、商品の品数が増えるので(ブリキのおもちゃも立派な商品であり、来年発売予定の新型車も商品に加わる)、実際の数値ほどお金が過剰にはなりません。この面でも大きな物価上昇は起こりにくくなります。

 そして、事(物価上昇)は、大きな不安が発生した時に始まります。戦争とか、自然災害とか、財政不安とか・・・。この時、商品の種類は一気に減ります。もうブリキのおもちゃや来年の新型車は商品ではなくなります。食料などの生活必需品のみが商品になります。

 この時、社会に大量のお金が出回っていると、とんでもないオークションが始まります。今、日本の給与ベースからいうと、コシヒカリ10kgが、5〜10万円くらいの値段になるでしょう(10〜20倍)。食料などは、買える極限の値段がつきます。コメは表向き価格が統制されるでしょうが、すぐ品切れになってヤミ取引きでないと手に入らなくなります。その値段は先のような値段です。
 給料は後追いで上がって行きますが、給料が上がった頃にはさらに物価が上がっているというイタチごっこになります。

 預金、保険、債権などはおいてきぼりです。年金もほとんどおいてきぼりでしょう。そのような混乱が何年か続くと、次第にお金の総額と商品値段の総額が釣り合い、混乱も納まります。その時、社会構成が一変しています。お金と債権をたくさん持っていた人は没落し、次の時代のモノを持っていた人が表に出ます。しかし、それが何であるかは、事前には解りません。戦後のインフレでは土地が大変な価値物になりました。このようなインフレは、30年、60年くらいのリズムで起きています。
 以上が、インフレの基本的な話です。次回から、具体的な話しに入って行きます。

・・・・内輪話ですみません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
皆さん今回の話し、理解できましたでしょうか。私はちっともわかりません。バカなやつ、と思ってください。私は数字や経済に大変弱く、この手の内容はおそらく一生理解出来ないと思います。しかし準備人その1はいろいろな話しを噛み砕いて説明することが上手ですから、理解できた方もいらっしゃると思います。


**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**  144号 2004. 7/5