**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**   128号 2004.1/25

 前号で住宅のデザイン傾向の決定は、発起人(または発起人グループ)が行うと書きましたが、これは間接的にコミュニティの収入にも関係してきます。
 今号ではコミュニティ生活を支える現金収入の方法について考えてみます。農山村での収入の方法は、メルマガ75号〜80号で概論的なことを紹介しましたが、ここで整理しておきます。

 私は、農山村生活での収入の方法を次ぎの四つの方向で考えています。
1. 地元への各種サービス
2. 地域外(都市など)への出稼ぎ
3. コミュニティの文化を地域外へ売る
4. 都市の人を観光で招く

1. 地元への各種サービス

 これは共同体生活のメリット(生活コストが安い、人材が豊富)を活用した仕事です。人のいる所、常に何らかのニーズありで、共同体生活のメリットを活用すれば、値段競争で絶対的に有利ですから、独占的に仕事ができるともいえます。ただし、度が過ぎると嫌われます。
 また、今までニーズはあっても採算的に成立しなかったサービスを事業化することも可能でしょう。さらに、農山村は今後、大きな社会変化(人口の減少と高齢化)が起きるでしょうから、新しいニーズも生まれて来ると思います。それらのサービスは、グループ生活者の独占事業となって行くと思います。

 一つの例をあげますと、農山村では高齢者世帯が多くなっており、病院の送迎サービスなどが求められているのですが、事業者はいないようです(岡山県は福祉特区を申請しており、病院の送迎などは二種免許がなくても可能。これは近々全国的制度になるというニュースを聞いた)。
 農山村がいくら高齢化したといっても、絶対人口が少ないですから、専業では成立しないのです。しかし、コミュニティとしてなら事業化は可能でしょう。注文があったとき、手の空いている人が運転するといった体制が取れますから。

 国立社会保障・人口問題研究所が初めてのことですが、全国3200余りの個々の自治体の人口推計を04年1月1日付で発表しています。ネットで閲覧できます。
 岡山県には町村が68団体あるのですが、10年後には人口か3割減、その時の高齢化率が40〜50パーセントという自治体が7団体あります。こういうところでは従来の社会システムが総崩れになるでしょうから、思ってもみなかったようなサービスニーズが生まれてくると思います。

 『読売新聞』の「人口減社会」というシリーズ(03年)を読んでいたら、過疎地の高齢者のコメントで「共同水道の貯水タンクの掃除がつらくなった」というものがありました。やがて共同水道の維持が出来なくなって、井戸掘りの注文が出るようになるかもしれません。
 過疎地域では、自然災害や経済変動がなかったとしても、10年、20年のうちに確実に社会変動が起きます。コミュニティ生活者にとって、それはプラスに働くと思います。

2. 地域外(都市など)への出稼ぎ

 農山村地域では、昔から農閑期は出稼ぎに出ていました。メルマガでは都市にも住居を持って、そこに寝起きしながら勤労仕事に出たり、学校に通ったりするという方法を紹介しました。さらに一歩踏み込んだことは、『仁慶メモ』で取り上げたいと思っています。

3. コミュニティの文化を地域外へ売る

 これも昔からあった現金収入の方法で、おとぎ話の『笠地蔵』の話しなど、まさにコミュニティの文化を町に売る仕事です。
 私のいる岡山県南部も1960年頃までは、藁屋根の家があって葺き替えが行われていました。子供の頃その作業を見た記憶があります。その作業をする職人さんは、県中北部の農家の人です。農閑期の仕事としてそういうことをしていたのです。自分達の地域の文化を外の社会に売っていた訳です。

 これと同じことを、フィンドホーンやクリスタル・ウォーターズがやっています。コミュニティで使っているエコシステムや建築技法を外の社会に売って現金収入を得ています。
 今はインターネットがあるので、「笠」などは町に持って行かなくても、ネットで売る事が出来ます。実は事前にネットショップを立ち上げておいた方が良いのでは、という提案があり、今研究しています。

 個人的には3〜4年前からネット販売の実験をしていましたので、すぐにでもショップの開設はできるのですが、今もっと大きなシステムとして『癒しの郷スローライフショップ』(仮称)を研究しています。
 ショップの枠組みが定まったら、メルマガで発表します。条件さえ整えば誰でも出品できるようにする計画です。今からネットで収入が得られるようにしておけば、コミュニティへの移住がしやすくなると思います。また、確かなショップがあればコミュニティの産物も売りやすくなります。

4. 都市の人を観光で招く

 平和で豊かで美しい村があったなら、誰でも一度は見に行ってみたいと思うでしょう。
 私のいる倉敷には全国から観光客が来ます。大原美術館や蔵の並んだ風景を見るためですが、蔵のどこが良いのかといえば、一つの統一感(アイデンティティ)のもとにたくさんの蔵があることが魅力になっていると思います。

 今日の郊外の住宅団地を観光として見に行く人がいないのは、コミュニティとしてのアイデンティティが感じられないからです。個々の住宅には個人のアイデンティティは表現されているのでしょうが、全体として見れば醜悪の一言です。これは、メルマガスタートの頃にも触れましたが、収入や階層を揃えて集まった結果です。
 私はフィンドホーンにしても、クリスタルウォーターズにしても、オーロビルにしても美しいとは感じません。実際、普通の人が観光に行ったという話しもきいたことがありません。見学に行っているのは、共同体に興味を持っている人だけです。

 なぜ美しい村が作れないのかというと、共同体に興味のある人が集まったというだけで、まだ心の傾向性(個性、波動、アイデンティティ)を揃えるところまで行っていないからです。
 「癒しの郷」は、心の傾向性を揃えるところまで考えています。そのために、発起人のなる人には、自分のアイデンティティを正確に表現してもらいたいと思っています。その表現の一つとして、住宅のデザイン傾向を決めてもらうのは、基本的なことだと思っています。
 そして、統一感のある美しい村を作ったなら、全国から見学者が来ますから、それがコミュニティの収入になります。これが最も楽に収入を得る方法です。人間でいえば、知識や技術で収入を得るのではなく、個性そのものを売って収入にする方法です。

 なお、観光というのは、光(=神の個性の現われ)を心で観じることです。神の波動を浴びにいくのです。自我が現われた所に人は行きません。疲れるだけですから。観光の話しはまた機会を改めます。

・・・・内輪話ですみません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今日は求人募集です。どなたか「癒しの郷」メルマガを編集してくださいませんでしょうか。出版、販売までしてくださることが望ましいのですが・・・。出版業界のことは何もわからないので、報酬面などの細かい部分を提示出来ないのですが・・・。とにかく、長いくどい文章を項目ごとにまとめたり、読みやすく編集したりとか、読者の立場になって、読んでみたい内容の本に編集する作業などをしていただけたら、と思います。


**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**  128号 2004. 1/25