**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**   22号 2001.3/15

●コミュニティ(共同体)での育児・教育

 地方移住を考える場合、気になる一つが子供の教育問題でしょう。結論から言えば、学校には恵まれないかもしれませんが、教育環境としてはコミュニティ(共同体)の生活は理想的です。

 トマスモアの「ユートピア」では、都市の生活では子供を預かって育てる制度が述べられていましたが、現実にイタリアのダマンヌールという共同体ではそのようなことが行われています。2〜3年したら、また別の親を選んでも良いということのようですから、子供にとっては親の当りはずれが無くてすむといえます。

 教育というのは、それまでの文化を次世代にダビングすることですから、できるだけ円熟した人が、またできるだけ沢山の人が係わるべきでしょう。
 最近のベストセラー本に「神との対話」という本がありましたが、その中で「子育ては年長者の仕事であって、30代、40代では子供を育てるだけの能力に達していない」と説かれていました。
 私自身子供を育てていますが、全くその通りだと思います。自分自身、右も左もよくわからないのに、何で子供を育てなければならないのかと、思うわけです。子供もさぞかし大変であろうと・・・・。

 教育を考える時避けては通れないのが、伝統技術や芸道の世界で行われる「内弟子」「通い弟子」という教育制度です。
 「通い弟子」というのは、結論の部分、成果の部分をきちっと伝授してもらえます。それに対し、「内弟子」というのは、自分の身の回りのことが始末出来るようになった年齢の頃から、師匠のところで生活します。祖父母ぐらいの人と一緒に暮らすことになります。大抵、小間使いの生活で技術や芸は教えて貰えません。ところが、モノになるのは内弟子の方と言われています。

 このようなことからも、教育というのは成果なり結論なりをコピーすることではなく、そういう成果なり結論なりを生み出した思考回路のようなものを習得することにあると考えられる訳です。

 そういう見方からすると、今の時代は教育に熱心なように見えますが、核家族ですから、20代、30代の親の認識、理解を子供にダビングしていることになり、学校に行きますから「通い弟子」をやっていることになります。
 教育としては最悪のパターンになっているとも言えます。

 そのことから言えば、コミュニティ(共同体)の生活は、教育には理想的な環境といえるでしょう。


・・・・内輪話ですみません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いつの時代も子供の教育には頭が痛いものです。子供自身が知識欲旺盛で勉強が好きなら、今の文部省の体制でいくらでも勉強すれば良いのです。また、子供自身が興味を持ち、得意分野がある場合も、その方面に向けて進めば良い訳です。一番困るのが、目標が見出せず、勉強も嫌いで、嫌々学校に行っている子供です。世間体の為に学校に行かせている親が殆どだから、そのような子供が増えるのだと思います。義務教育が終わったら、潔く子供から手を引くとか、子供の将来を案ずるのなら、徒弟制度があるような所に出し、手に職を付けさせるとか、真剣に考えないといけない時代だと思います。準備人の子供がまさしくこのような状態なので、どこか預かってくれる所は無いものかと、思案しています。昔なら、何処かのお屋敷に行儀見習いにだすとか言う話もあったようですが、現在では行儀見習いなんて言葉は死語です。また、内弟子も取らなくなったようです。団塊の世代までが昔の日本人で、その後の高度成長期に育った者、またその子供などが、ちょっと訳が判らなくなった日本人ではないでしょうか。


**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**  22号 2001. 3/15