**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**   5号 2000.11/10

 場所によっては、木々の紅葉が美しく彩っていて、秋の行楽地も賑わっているのでしょう。定期観光バスによるバスツアーが流行っているとか。ちよっと昔、田舎では何処の庭先にも柿がたわわに実をつけている光景を目にしました。秋祭りも終わり、風が冷たくなる頃には、柿の実はてっぺんに数個残して跡形も無く取られていました。そして、軒先きに吊るし柿になって干されている光景も見かけました。しかしここ数年来、たわわに実った柿はいつまでもそのままで、鳥が来て啄む他は、人間も知らんぷり。柿の木の奥に見える家は、いつのまにか廃屋になっていました。こういう光景を至る所で目にするようになりました。

●コミュニティ(共同体)「癒しの郷」概略プラン

〈共同体とは〉
 少し整理しておきますが、まず共同体というものですが、複数の人間が協力(共同)して暮らす仕組の一つであって、最も小さい共同体は夫婦です。普通にはもう少し多い人数のものを指していますが、原理や仕組は夫婦の関係と基本的に同じです。

 グループハウスやコレクティブハウスという暮らし方との違いは、基本的財産がメンバーの共有になるということです。グループハスウやコレクティブハウスは、経済的(会計的)に独立した個人や世帯の集まりですが、共同体は何十人、何百人居ようが全体で一つの経済(会計)のもとにある大きな家族という形態です。

 共同体と言うグループ構成は、物理効率が良いため古代より作られていたようですし、今でもアジア、アフリカの少数部族などではごく普通に活用されています。開拓入植などで利用されるのも、物理効率に優れているからです。富が十分でないときは、人は共同に向かうと言えます。
 もう一方、人間が人間らしく生きるための仕組としても共同体が利用されています。同じ価値観、同じ方向性の人が集まれば、それぞれが心のままに行動しても全体と不調和を起こす事がありません。全くストレスのない暮らしが実現します。これは古代より理想郷(ユートピア)として考えられて来ました。

 これは3号でも触れたことですが、価値観、方向性の異なる人と不必要な接触をしなくても良いようにするためには、既存社会からの独立性が必要で、限られた人数で独立(自立)性を高くするためには、物理効率の良い仕組が求められ、共同体に行き着くわけです。『老子』八十則「小国寡民・・・・」は、理想郷としての共同体のあり方を説いたものです(残念ながら日本語訳で意味の通る訳がなされたものはありません)

 今日、文明国で自発的に作られるコミュニティ(共同体)は、大概理想社会を目指して作られます。代表例ともいえるのは、イスラエルの『キブツ』でしょう。(1910年頃から作られ始め、現在約250団体あり国民の3%がキブツに所属していると言われています。1団体50人〜2000人、数百人規模のものが主流)
 また、1970年頃から欧米で作られ始めたコミュニティ(共同体)は、エコロジー的社会を目指したものが多いようです。こちらの代表は、イギリスのフィンド・フォーンでしょう。日本でも視察のためのツアーが組まれています。

 一方日本でも昔からコミュニティ(共同体)は作られています。有名なのは、武者小路実篤の「新しい村」でしょう。教科書に載っていた話しですが、今でも数十人の人が生活しているということです。たくさん作られるようになったのは日本でも1970年頃からで、欧米と同じようにエコロジー的な暮らしを求めるグループが主流であったと思います。1990年頃からは、「癒し」を求める人たちによって作られているようです。最近では「パーマネントシステム(持続可能システム)が目的になったりもします。

 時代によってコミュニティ(共同体)を作る目的が変わっていますが、これは単にテーマの違いであって、理想型コミュニティの生活スタイルは基本的には同じです。どういうテーマにしろ一定の自立性が必要ですから、衣食住の自給を目指す形の暮らしになります。


・・・・内輪話ですみません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「癒しの郷」準備人がコミュニティ(共同体)について考えるようになって、はや4半世紀。最初は工芸村を創りたかったのです。2号にイタリアのダマンヌールのことをちょっと書いていますが、ここが、まさに準備人が考えていたことと同じ村だったのです。(現在人口800人、1975年頃数人の工芸家がスタートさせたもので、今はバチカン市国などと同じようにイタリア政府公認の自治政府となっている)この村の存在を数年前に知り、同じ時期に同じような事を考えていたということに、宇宙の不思議を感じたと言います。しかしその考えは偶然ではなく、必然的に地球規模で広がっていたのです。


**コミュニティ「癒しの郷」を創ろう**  5号 2000. 11/10